
放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第4章 懐疑的なキス
「……先輩は、好きな子を困らせるのが趣味なんですか?」
涼し気に聞く小笠原くん。
「は? 別に困ってなくね?」
「愉快な脳みそですね。姫路さんは男子が苦手なんですよ。ほら、姫路さん。先生待ってるから急いで」
そう言ってあたしを逃がしてくれた彼はヒーローみたいだった。
女子たちも“男子が苦手”という言葉に少なからず安心感を抱いたのか、あたしに向いた視線はそれほど強いものじゃなくて。
安心感がどっと溢れる。
「ありがとう」
すれ違いざまにそう伝えたとき、小笠原くんの指先があたしの手にほんの少し触れて返事をくれたように感じた。
もしかしたらただの事故で指が触れただけかもしれないのに、ドキドキして心臓がおかしくなりそうだよ。
かきけすように廊下を走る。
たどり着いた職員室で、岡田先生は「呼んでないぞ?」と不思議そうに首を傾げた。
……じゃあもしかして、あたしを助けるために小笠原くんがついた嘘だったのかな?
そう思ったらじわりと胸が熱くなる。
「でもちょうどよかった! これを教室にもっていってくれるか! ついでだ、ついで!がはは!」
……って先生、ぜんぜん面白くないです……。
40人分のノートを抱えて、帰り道をとぼとぼと歩きはじめた。
涼し気に聞く小笠原くん。
「は? 別に困ってなくね?」
「愉快な脳みそですね。姫路さんは男子が苦手なんですよ。ほら、姫路さん。先生待ってるから急いで」
そう言ってあたしを逃がしてくれた彼はヒーローみたいだった。
女子たちも“男子が苦手”という言葉に少なからず安心感を抱いたのか、あたしに向いた視線はそれほど強いものじゃなくて。
安心感がどっと溢れる。
「ありがとう」
すれ違いざまにそう伝えたとき、小笠原くんの指先があたしの手にほんの少し触れて返事をくれたように感じた。
もしかしたらただの事故で指が触れただけかもしれないのに、ドキドキして心臓がおかしくなりそうだよ。
かきけすように廊下を走る。
たどり着いた職員室で、岡田先生は「呼んでないぞ?」と不思議そうに首を傾げた。
……じゃあもしかして、あたしを助けるために小笠原くんがついた嘘だったのかな?
そう思ったらじわりと胸が熱くなる。
「でもちょうどよかった! これを教室にもっていってくれるか! ついでだ、ついで!がはは!」
……って先生、ぜんぜん面白くないです……。
40人分のノートを抱えて、帰り道をとぼとぼと歩きはじめた。
