
放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第4章 懐疑的なキス
すると突然、手元が軽くなった。
「え?」
隣を見上げれば、半分以上のノートを小笠原くんが持ってくれていて。
「手伝うよ」
「そんな……悪いから」
「こういうとき、遠慮しないで甘えてくれる方が俺は嬉しいんだけど」
ポーカーフェイスに言われてあたしの胸はドキドキと鳴る。
「……ありがとう」
「どういたしまして」
隣を歩くだけで、心臓壊れそう。
徐々に視界が下をむきはじめる。
この沈黙に余計緊張させられている気がしてあたしは、思いつくままに喋ってみた。
「……先生が呼んでたって、嘘ついたんだよね?」
「うん」
「あたしが困ってたから、助けてくれたの?」
図々しいと思いながらも、そこにYESの証明がほしくて、聞いてしまった。
すると、彼は。
「助けたわけじゃないよ」
一度あたしの気分を刀でスパンと斬るように落としてから、
「よその男が姫路さんに近づいてんの、目障りだなーと思っただけ」
にやりと、わずかに浮かぶいたずらっぽい笑みが向けられる。
「……え、それって」
どういう、こと。
ドキドキと心臓は速さを増していく。
余裕がどんどんなくなっていくあたしに、彼は可愛らしく小首を傾げた。
「……俺のお気に入りに変な虫がついたら嫌だからね」
そんな表情で言わないで。
きゅんとした胸が痛い。
……お気に入り、だって……。
思わずはにかみたくなったけど、がんばってこらえる。
冷静に、冷静に。
誰もいない廊下であたしの心臓を弄ぶ彼は、ノートをかかえたままチュッと首元の絆創膏にキスをした。
「虫刺され……治るといいね?」
確信的で妖艶な笑みを浮かべ、あたしが抱えていたノートの残り全部を取り上げた彼は、先を歩き始めた。
「……はぁ、もう……」
両手が震えてる。
……小笠原くん、こんなにドキドキさせないで。
「え?」
隣を見上げれば、半分以上のノートを小笠原くんが持ってくれていて。
「手伝うよ」
「そんな……悪いから」
「こういうとき、遠慮しないで甘えてくれる方が俺は嬉しいんだけど」
ポーカーフェイスに言われてあたしの胸はドキドキと鳴る。
「……ありがとう」
「どういたしまして」
隣を歩くだけで、心臓壊れそう。
徐々に視界が下をむきはじめる。
この沈黙に余計緊張させられている気がしてあたしは、思いつくままに喋ってみた。
「……先生が呼んでたって、嘘ついたんだよね?」
「うん」
「あたしが困ってたから、助けてくれたの?」
図々しいと思いながらも、そこにYESの証明がほしくて、聞いてしまった。
すると、彼は。
「助けたわけじゃないよ」
一度あたしの気分を刀でスパンと斬るように落としてから、
「よその男が姫路さんに近づいてんの、目障りだなーと思っただけ」
にやりと、わずかに浮かぶいたずらっぽい笑みが向けられる。
「……え、それって」
どういう、こと。
ドキドキと心臓は速さを増していく。
余裕がどんどんなくなっていくあたしに、彼は可愛らしく小首を傾げた。
「……俺のお気に入りに変な虫がついたら嫌だからね」
そんな表情で言わないで。
きゅんとした胸が痛い。
……お気に入り、だって……。
思わずはにかみたくなったけど、がんばってこらえる。
冷静に、冷静に。
誰もいない廊下であたしの心臓を弄ぶ彼は、ノートをかかえたままチュッと首元の絆創膏にキスをした。
「虫刺され……治るといいね?」
確信的で妖艶な笑みを浮かべ、あたしが抱えていたノートの残り全部を取り上げた彼は、先を歩き始めた。
「……はぁ、もう……」
両手が震えてる。
……小笠原くん、こんなにドキドキさせないで。
