テキストサイズ

放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第4章 懐疑的なキス

「ねぇ、色葉?」

「なに?」

「なんっていうか今日はやけに色っぽく見えるんだけど。なんかいつもと変えた?」

「え!? なにも……」


まさか欲情しているのって外に現れるの?

やだ……。どうしよう。


「変えるもなにも、色葉すっぴんだもんね? 変だなぁ」


ミナって、するどいのかもしれない。


教室に入った途端、「あぁー!わかったかも」とミナは閃いたような声をだして。



――もにゅ。



ミナの手がこんなところで、まさかあたしの両胸をわしづかむなんて思ってもなくて。



「あん……っ」


教室で、みんながいるところでなんて声をだしちゃったんだろう。


慌てて両手で口を押えたあたしに、ミナは「ごめん!」と慌てて謝ってきた。


でも、もう遅いよ。


一部には聞こえてしまったみたい……。



ドアの付近にいたちょっとおとなしいグループの男子たちは、あたしと同じくらい真っ赤になってこっちをぱちぱちと瞬きしながら見てる。


あたしは視線をそらして、俯いた。


「ほんとにごめん……! 今日ブラの形がいつもと違うかもーとか思っちゃった悪ノリだったの……」


「ううん、あたしもごめん……びっくりしちゃって変な声になっちゃった」


まさか頭の中がそういうことでいっぱいで感じやすいんだ、なんていえるわけもない。



「はぁー……でもミナちょっとドキドキしちゃった。目覚めちゃうとこだったぁ~」


「なにに?」


「レズビアン?」


「や。もう、しぃーっ」

きゃははっと笑うミナは、席に戻る途中東くんのところへ寄り道しにいった。


小笠原くんは、寝てる。


……さっきの聞かれなくてよかった。


そんなのいちばん恥ずかしいもん。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ