放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第5章 階段でふたりきり
小笠原くんに手を引かれ、保健室のある一階とは反対に、階段を上っていく。
たどり着いたのは立ち入り禁止の屋上につながる、階段の頂上。
「よいしょ」
階段に足を開いて座った小笠原くんは、「おいで」と両手を広げた。
「え?」
「ここ。座って?」
気だるそうな表情。いたって真面目な目。
あたしは断れるわけもなく、言われた通りに小笠原くんの両足に挟まれるように腰を下ろす。
するとすぐにうしろから抱きしめられて、耳もとでささやき声がおとされた。
「……授業中、もぞもぞしてたでしょ」
「っえ」
「とぼけなくていいよ。俺ずっと見てたから」
うそ……。じゃあシャーペンでその……
「さりげなく自分の胸触ったりしてたよね」
……っ、ばれてる。
顔から火がふきでそうだ。