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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第6章 初夏の体操着

――手品部。

その部室に入ってすぐ

「えっと、なに?」

ドキドキしながら背の高い澄くんをおずおずと見上げると。


透き通るような瞳にあたしが映っていて、頬が熱くなって視線を逸らしてしまった。


「ねぇ色葉?」


落ちてきた声は、少し不機嫌。


そして気だるそうにだらりと下がっていた腕が上がって、人差し指があたしの胸元をさした。


かと思えば、それは。


「……っ」



あたしのブラのカップを色っぽくたどりはじめて。

そのくすぐったい刺激に、ぶるっと体が震えて、思わず身を引いてしまう。


澄くんの指先が離れてもなお、バクバクと鼓動が高鳴る。


あまりに恥ずかしくて胸を両腕で隠しながら俯いた。



「な……なに?」


なんで触ったの?

なんでちょっと不機嫌そうなの?


「……色葉、ブラ透けてるって気づいてる?」


「え?」


「体操着の下ってふつうインナー着るんじゃないの」



そう言われて確認してみれば、体操着の下に赤色のブラがくっきりと透けていて、はっとした。


……あたし、着替えの時に会話に夢中でキャミソールまで脱いじゃったのかな。


あの時、彼氏ほしいとかいう話題で頭いっぱいだったから……。


「やだ……どうしよう」


だいたいうちの学校の女子の体操着は下にインナー着用が義務づけられているのに。


「クラスの男子もわくわくしながら見てたよ。この赤いブラ線」


うそでしょ……。なんで気付かなかったんだろう。


そんなの恥ずかしくてたまらないよ……。


「バカ色葉。俺以外に見せんな」


面白くなさそうな声にどきっと心臓が跳ねて。


「……あっ」


つうっと背中に指で線を引かれていく。


背筋が伸びあがったあたしの耳をぺろりと舐めて、息を落とす。



「……っあぅ」


力の抜けるような感覚。


そんなあたしの背中の真ん中でとまった彼のいじわるな指先。



「……こんなふうに見せつけられたら、外したくなる」


――プチン。


「……っ」


体操着の上からブラのホックがはずされてしまった。

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