放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第7章 初夏とカップケーキ
「……はぁ」
今日一日ため息をつき尽くしているうちに六限の時間が来た。
「はいじゃあ皆さん、今日は各班で決めたお菓子をつくってくださいね~」
――調理実習。
あたしの班はカップケーキを作るんだ。
……あ、いいなぁ。サラ。澄くんと同じ班だ。
「姫路さん! 小麦粉計ってくれる?」
「あ、うん!」
いけないいけない。ちゃんとしないと、班の人に迷惑がかかっちゃう。
袋から秤の上の器に薄力粉をうつしていたら。
――ドン。
「きゃっ」
「あっごめん!」
後ろを通った男子生徒とぶつかってしまって粉がエプロンにかかってしまった。
「わー真っ白じゃん! まじごめん! 今払うわ!」
焦りすぎているのか、メガネがずり落ちた男子はあたしのエプロンに手を伸ばした。
「え」
あたしの胸まで手が伸びてくるのがスローで見えた気がする。
本当にあと少しで触れてしまうとおもって身を引きかけたとき。
「いででででで!」
気付けば目の前の彼は腕をひねりあげられてた。
「田中。それはセクハラでしょ」
田中くんと呼ばれる目の前の男子を伏目が見下ろしている。
……澄くんだ。
一限での情事が蘇って、心臓がどきんと大きく鳴っている。
たまたま通りかかったのかな。
なんだかいつも助けて貰っている気がする。
「セクハラって……あ、そっか! うわ俺ハズ! そんなつもりじゃなくて! ゴメンね姫路さん!」
顔を真っ赤にして眼鏡を直しながら、逃げるようにお皿を取りに行った田中くん。
本当に申し訳なくなる。彼に悪気はなかったのに……。
「こちらこそ……ごめんなさい」
という言葉は絶対に届いていないけど……。
今日一日ため息をつき尽くしているうちに六限の時間が来た。
「はいじゃあ皆さん、今日は各班で決めたお菓子をつくってくださいね~」
――調理実習。
あたしの班はカップケーキを作るんだ。
……あ、いいなぁ。サラ。澄くんと同じ班だ。
「姫路さん! 小麦粉計ってくれる?」
「あ、うん!」
いけないいけない。ちゃんとしないと、班の人に迷惑がかかっちゃう。
袋から秤の上の器に薄力粉をうつしていたら。
――ドン。
「きゃっ」
「あっごめん!」
後ろを通った男子生徒とぶつかってしまって粉がエプロンにかかってしまった。
「わー真っ白じゃん! まじごめん! 今払うわ!」
焦りすぎているのか、メガネがずり落ちた男子はあたしのエプロンに手を伸ばした。
「え」
あたしの胸まで手が伸びてくるのがスローで見えた気がする。
本当にあと少しで触れてしまうとおもって身を引きかけたとき。
「いででででで!」
気付けば目の前の彼は腕をひねりあげられてた。
「田中。それはセクハラでしょ」
田中くんと呼ばれる目の前の男子を伏目が見下ろしている。
……澄くんだ。
一限での情事が蘇って、心臓がどきんと大きく鳴っている。
たまたま通りかかったのかな。
なんだかいつも助けて貰っている気がする。
「セクハラって……あ、そっか! うわ俺ハズ! そんなつもりじゃなくて! ゴメンね姫路さん!」
顔を真っ赤にして眼鏡を直しながら、逃げるようにお皿を取りに行った田中くん。
本当に申し訳なくなる。彼に悪気はなかったのに……。
「こちらこそ……ごめんなさい」
という言葉は絶対に届いていないけど……。