
放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第7章 初夏とカップケーキ
もしかして、
「佐原さんって、小笠原くんと去年同じクラスだったの?」
「違うけど小学校からずっと一緒だったし、仲いいとまではいえないけど普通に喋れるよ」
「そうなんだ……」
「色葉ちゃん……もしかして……小笠原くんのこと」
「ないない……ないよ!」
否定に頭を横にふりすぎて、くらくらする。
「そんな慌てなくてもいいのに。違うんだね。よかったぁ」
……よかった?
「どうして“よかった”なの?」
「小笠原くんは……ううーん……」
佐原さんは言い淀んで、腕組をして、それからやっと耳もとで小さくささやいた。
「多分あの人……本気で誰かを好きになるとか、ないと思うから」
鋭い凶器みたいに言葉が突き刺さる。
「……誰にも?」
「うん。誰かを好くなんて、あり得ないと思う」
「そうなんだ……」
胸が痛くてたまらない。
やっぱり、彼女とっかえひっかえっていう噂は本当で、さらに好きにならないとなれば、
彼が今まで誰かとしてきたことは
最近あたしにしていることと、きっと同じ。
――セフレ。
その一人があたし。
今は……あたし以外にも同じことをする相手がいるのかな……?
ふと浮かんだ疑問が重くのしかかってくる。
他人事みたいに笑うあたしは、ちょっと泣きそうだった。
……あたし、もしかして、やっぱり……
初めて恋をしてしまったんじゃないかな。
順番がめちゃくちゃに狂ってしまった相手に……。
こんな無謀な恋の気持ち、消したくて、なかったことにしたくて。
痛む胸をぎゅっと抑えた。
澄くんはただ、セックスの間にいる存在。
以上でも以下でもないのに恋するなんてぜったいに駄目。
それにもう後戻りはできない。
今までのエッチをなかったことになんかできないんだから。
だからこの気持ちは……絶対に封印しなきゃいけない。
「佐原さんって、小笠原くんと去年同じクラスだったの?」
「違うけど小学校からずっと一緒だったし、仲いいとまではいえないけど普通に喋れるよ」
「そうなんだ……」
「色葉ちゃん……もしかして……小笠原くんのこと」
「ないない……ないよ!」
否定に頭を横にふりすぎて、くらくらする。
「そんな慌てなくてもいいのに。違うんだね。よかったぁ」
……よかった?
「どうして“よかった”なの?」
「小笠原くんは……ううーん……」
佐原さんは言い淀んで、腕組をして、それからやっと耳もとで小さくささやいた。
「多分あの人……本気で誰かを好きになるとか、ないと思うから」
鋭い凶器みたいに言葉が突き刺さる。
「……誰にも?」
「うん。誰かを好くなんて、あり得ないと思う」
「そうなんだ……」
胸が痛くてたまらない。
やっぱり、彼女とっかえひっかえっていう噂は本当で、さらに好きにならないとなれば、
彼が今まで誰かとしてきたことは
最近あたしにしていることと、きっと同じ。
――セフレ。
その一人があたし。
今は……あたし以外にも同じことをする相手がいるのかな……?
ふと浮かんだ疑問が重くのしかかってくる。
他人事みたいに笑うあたしは、ちょっと泣きそうだった。
……あたし、もしかして、やっぱり……
初めて恋をしてしまったんじゃないかな。
順番がめちゃくちゃに狂ってしまった相手に……。
こんな無謀な恋の気持ち、消したくて、なかったことにしたくて。
痛む胸をぎゅっと抑えた。
澄くんはただ、セックスの間にいる存在。
以上でも以下でもないのに恋するなんてぜったいに駄目。
それにもう後戻りはできない。
今までのエッチをなかったことになんかできないんだから。
だからこの気持ちは……絶対に封印しなきゃいけない。
