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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第7章 初夏とカップケーキ

あたし、澄くんに触れたい気持ちが抑えられそうにない。


ツンと制服の袖を引っ張った。



「澄くん……だきしめてもいい?」


小さな声で窺うと、彼の両腕はためらうことなくあたしを包み込んでくれた。


落ち着く。でもドキドキする。


頭、しびれそうなくらい。



でも

――セフレ。


その言葉が現実に落ちてきて、すーっと体が冷えていく気がした。



「……あり、がとう」


優しくぎゅっと包む腕をあたしの体から離して胸を押して、彼を見上げた。


あたしみたいに顔を赤らめるわけでもなく、いつものポーカーフェイス。


ああ、だめ。


考えれば考えるほど泣きたくなっちゃうから……。


「……色葉?」



心配そうに首を傾げた彼に、小さく笑う。



「そろそろ、サラたちのとこ戻るね」


軽く手を振ってから、踵を返して歩く。



何度も振り返りたくなる気持ちを抑えて、ぜったいに振り向かないようにした。



……だってよく考えたら澄くん、


去り際にあたしの方を振り返ってくれたことなんかないから。




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