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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第8章 放課後の教室で

どうしよう。


スカートの裾をぎゅっと握って俯きかけたとき、澄くんはひょうひょうと言った。


「たった今、コレこぼしちゃって」



澄くんは、さっきまで机に置かれていた半分くらいお茶の入ったペットボトルを、しゃかしゃかと振って見せた。


「こんなにびしょびしょになって……拭いてたんだよね?」



どうして、事実と絡めて羞恥を煽るの。


澄くんのタオルが椅子を拭いていく。


「先輩、俺ら職員室行ってから帰るんで。さよなら」


一方的に帰れと言わんばかりに手をひらひらさせる澄君。



「……そっかぁ。じゃあ……また今度ね、色葉ちゃん」



にこり、笑った視線がスカートに向いた気がして、ドキッとした。


いや、ばれるわけないから……。


だけど、何も履いてないそこに風が通るような気がして、心臓がバクバク言う。


――ガラ。


再びドアを開けて、先輩は帰っていった。


「……はぁー……びっくりした……」


「色葉さぁ……バレるから素直に焦るなよ」


「え……っ、ばれたかな?」


「バレないっしょ。まさかこんなとこで潮吹くなんて、普通ないしね」


「……」


ほんとにはずかしい……。



でも澄くんはもっと恥ずかしいことを平気でする。


ポケットから両サイドに紐が垂れた黒い布を出して、あたしに見せつけると、


「履かせてあげる」


彼は小さく笑う。



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