放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)
第9章 先輩と傷跡
◇
実はもうずっと澄くんとふたりきりになれていない。
というのも、あたしの学力があまりに足りてなかったから、澄くんに言われてしまった。
「しばらく会わないで試験勉強に集中して。二人で会ったら俺、ぜったい“邪魔”しちゃうから」
あたしの髪をすくってそんなこと、言われてしまって。
「……しばらくは、おあずけね」
ちゅっと、頬にキスされてから会っていない。
頬にキスされるシーン、何回反芻したかわかんないよ……。
テスト三昧の日々も過ぎた6月。
すぐに会えるものだってご褒美みたいに待ちわびていたのに、全然誘われることはなくて……。
今日でかれこれ二週間の“お預け”になる。
……あたしから誘ってみようかな。
ただ話せるだけでいいの。
だけど……澄くんが誘わないってことは、あたしとシたいと思ってないってことだよね?
澄くんはあたしとセックスなしに会いたいなんて思わないと思うし……。
「はぁー……」
恋わずらい。
授業中なのに全然頭に入ってこないよ。