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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第9章 先輩と傷跡

――カサ。


気づけば小さくたたまれた紙があたしの机の端に置かれていた。


思わず離れて行く人影をみあげると……澄くんだ。


その瞬間、体温がぐんと上がるように熱くなって、心臓はどんどん加速していく。


ほんの小さな紙を開くだけで、こんなにドキドキするなんて。


息を小さく吐いて、吸って、吐いて。


開くとそこには、澄くんのくせのない整った文字が並んでいた。



【おあずけおしまい。放課後部室ね】



やったぁ、なんて叫びたくなる衝動をぐっとこらえる。



「いーろーはっ! 何にやけてるの?」


ミナが肩を叩きながら顔を覗き込んだ。


やばい、緩んだ頬、引き締めないと!


「な、なんでもないよ……!」


「えー、あやしいー!」



紙をぎゅっと握って絶対にバレないようにポケットにしまった。


ぐちゃぐちゃになっちゃったかな。


宝物にしたかったのにな……。

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