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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第9章 先輩と傷跡

「双子なのに、放課後の教室で手マンするんだ? 散々喘がせて潮吹かせて席びしょびしょにして。近親相姦ってやつですか?」


ふっと笑ってあたしに視線を落とすのは、白けたような目だ。


ドクドクと心臓が鳴り始めて、手が汗ばむ。



「……見て、たんですか……。あの日」



頬が熱くなっていく。



「見てた。全部」


……全部……!


やだ……、なんで、そんな。


「でも廊下からは死角だったはず……」


「うん、ベランダからなら丸見えだったけどね」


「……ベランダ? そんな……」


「でもあんなことでヤってるほうが悪いよね?」


先輩は手元でスマホを操作すると、音声が小さいながら流れてきた。



そして、すっとあたしの前に差し出されて。



「……っ!」



そこに写されていたものに言葉を失う。



スカートの中に頭ごと入る澄くんと、みだらに感じているあたし。



椅子に立ち膝をついてスカートの下、足と足の間に澄くんの腕が割り込んで。



澄くんの両肩を掴み、声帯を絞めて喘ぐあたし映像。



「いやっ!やめて!!」




スマホを奪おうとしてすぐに先輩に取り上げられてしまった。


「お願いします……! 消してください!!」


「やだよ?」



当たり前でしょ?と言いたげな笑みを見せる先輩。



あたしは泣きそうになりながら何度も消してといっているのに、嫌だの一点張りだ。



「双子の兄だっけ。小笠原澄くん。あいつのおじいさんって誰だか知ってる?」


「え? わからない……です」



「なんだそんなのも知らない関係で、コンナコトしてんの?」


「それは……」


たしかにあたしは、澄くんのこと何も知らない。けど。


「小笠原澄くんのおじいさんは、この学園の理事長だよ」


「理事長……?」


「すげー厳しい人。その人にこの動画渡したら一発でアウトだろうね。退学どころか家庭からも破門かもね」


学校と、家庭から、澄くんがはじかれる……?



あたしのせいで……。



さーっと血の気がひいていく。

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