
キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~
第8章 鬼畜変態野郎と再びセックス
「……ほげー……」
これ以上考えるのをよそう。そこを深く考えたって処女は戻ってこないのだ。そう思うことにしよう。もう忘れるの。じゃないと泣いちゃいそう。
「それよりも」
「私の大切な処女を奪っといて、それよりもって言葉はどうかと思うの」
「二度寝するんだろ。ほら、ここに寝ろ」
ベッドに横になった鬼畜変態野郎が、隣をポンポンと叩いて寝るよう促してきた。疑いの目を向けてしまうのは仕方ないと思う。こいつは乙女の敵、鬼畜変態野郎なんだ。
「何もしねーよ。俺も眠い、おまえも眠い。俺は抱き枕がほしい、おまえは抱き枕。わかったなら、ここで寝ろ」
「いや全然分かんない」
「寝ろ」
「嫌だ」
「やっぱりアホのキツネだな。俺は寝るぜ」
鬼畜変態野郎は、私に背中を向けて寝始めた。たぬき寝入りかと思い、しばらく観察してたけど、寝息を立て始めた。本当に寝てしまったみたいだ。
寒いかなと思ってシーツを掛けたら、寝返りを打った。寝顔を見るの初めてだったから、最後の思い出に寝顔を見ていることにした。
寝てる姿はかわいいものだ。昨日のエッチの時とは別人。昨日はあんなにもガオーッて感じだったのに。
「……うー……」
昨日のことを思い出して、涙がジワッと出てきた。手で拭っても、次から次に溢れてきて、拭うのもしんどくなって、近くにあったタオルを顔に押し付けた。
恥ずかしい話、両想いだと勘違いをしていた。すべてを見たときも、縄で縛られたときも、この人の想いが伝わってきて、二人の想いは一つだと、そう思った。だから初めてをこの人にって思った。でも違った。
この人にとっての昨日のセックスは、お仕置きプレイの延長線の話。それだけ。想いとか何もない。欲と欲のぶつけ合い。愛がなかった。
それに気づかないで、見えもしない何かに舞い上がって、流されて。本当にアホのキツネだ。自業自得。
「メープルシロップくらい、あんたも甘けりゃいいのに」
ツンツンと指で鼻先を押した。無反応が何かすごく寂しくなったから、グリグリと鼻を潰した。でもやっぱり無反応。もっと寂しくなったから、隣に寝て引っ付いた。
