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キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~

第2章 鬼畜変態野郎と首輪


【たまたま残ってたもう一本のスペア】があるくせに、ないフリをして、わざと私を怒らせた。本心をしゃべらせた上で、本当の意味で逃げ道を完全封鎖して、今度こそ自分の意思で選ばせるのだ。

デッド・オア・アライブを。

何という手の込んだ作戦だ。ここまでしてキツネ様を飼い慣らしたいのか。その心意気や天晴れ!大義であった!

ここまで屈辱的なことをされたのは、生まれて初めてだ。われを忘れて突撃してやりたい。常に無表情の顔面に何発も平手打ちしてやりたい。

でも私は、込み上げるすべての感情を抑え堪えることをえらんだ。

大切な作戦を成功させるために。

偽物の信頼関係を早く築き上げて、信頼しきった所で、トイレでグサッと一発。この作戦のためにも、どんな屈辱にも耐えなければならない。せっかくの大チャンス、もう失敗は許されない。

首輪に繋がれて飼われる?それで偽物の信頼関係が早く築けるならやってやる!処女を守れれば結果オーライだ。

外れない首輪?鬼畜変態野郎をぶっ殺したあと、専門家を訪ねて首輪を外せばいいだけ。

全ては勇者討伐を成功させれば解決する問題なのだ。

今は悔しくとも耐えるんだ。この怒りを抑えて、偽物の信頼関係を早く築くために、自分の輝かしい未来のために、鬼畜変態野郎にに懐く努力をしよう。その一歩が首輪だと思えばよい。

大丈夫、やれる。キツネ様なら絶対にやれる。

すぅ~っと息を吸い込んで、はぁ~っとはいた。それを数回ほど繰り返して、むくりと起き上がった。

私の手にはいろいろな想いが詰まった首輪がある。それをぐっと握り締めて、鬼畜変態野郎の前にオスワリをした。

「これ」

首輪を差し出した手が怒りでブルブル震えている。悔しさで泣けてくる。涙があふれて止まらない。でも、それを耐えて、これからのことを、自らの意思で言葉にした。

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