
キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~
第1章 鬼畜変態野郎とお漏らしプレイ
今度こそ扉が開いた。ナイフを握っている手に力が入る。心なしか震えているが、土下座させられた怒りのせいだ。決して不安とか緊張とかではない。
でも、勇者である男が出てきた時、そのナイフを落としてしまった。あっ、これは負けたなと思った。勇者である男の気迫に圧倒されたのだ。
「小さいキツネだな」
「……あは、あはは」
2メートルはありそうな身長、ガタイのいい筋肉質な体、鋭い眼光、人間一人くらい捻りつぶしてそうな威圧感、まさに威風堂々が似合う男。しかも渋い系イケメン。一瞬で敗けを認めそうになるほどの男がそこに立っていたのだ。
圧倒させれたおかげで刺すタイミングを逃してしまうし、部屋に入れってあごで促されるし。ここで部屋に入ったら【獣姦専門SMクラブ】の幕開けだし。どうしたらいいのか分からなくなって、冷や汗を流しながら立ち尽くしていたら、男の手が私の服をつかんできた。
「さて、どう食うかな」
岩のように立ち尽くす私を引きずりながら部屋へと入っていく。もう逃げられないと思った。怖くて、本当に恐怖で、ありったけの勇気をかき集めて、廊下の途中にあったドアノブにつかまった。
「違うんです!勘違いです!【獣姦専門SMクラブ】はウソなんです!」
「ほーう、ウソか」
「そうです!ウソです!何でもするから許してください!」
ここにきて泣き叫んでしまう自分を情けなく感じるが、それほどこの男が危険だってことだ。
「見たところ魔族のようだが、何の用があってここに来た」
あなたを殺しに来ました!なんて口が裂けても言えない。かといってすぐに言い訳が思い付かなくて口ごもっていたら、つかまっていたドアノブを回してきた。そこは洗面所だった。
