
キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~
第5章 鬼畜変態野郎と縛りプレイ
「ここ女子トイレなんだけど」
「知ってる」
「わざわざおしっこするところを見にきたの?そんなに好きなの?」
「お漏らしプレイが好きな変態みてーな言い方、止めろ」
「えっ、違うの!?」
「違う、ただの頼まれ事だ。この店の親父は女子トイレのアレコレを盗撮するのが趣味らしくてな。……おまえも盗撮されてたぜ。今、知り合いのやつらが店主の親父を取り押さえてる。俺はカメラの回収に来た。それだけだ」
「……へー……」
「その疑いの目を止めろ」
疑わずにいられないようなことしかしていないくせにって喉まででかかったけど、鬼畜変態野郎が六台のカメラを見つけてるのを見て、盗撮は真実だったんだと、疑ったことを反省した。
「知らず知らずの内に盗撮されてた気分は?」
「ここの店主が盗撮マニアのオッサンって知ってるのに、止めもせずトイレに行かせた鬼畜変態野郎の鬼畜っぷりが、実に天晴れだなと思ったし、疑ったことを反省した素直な気持ちを返してほしいとも思った」
「意外と冷静だな。もっと他に恥じるところがあるだろ。見られてたんだぜ、イロイロと」
「その恥じらいを遠慮なく破壊していってるくせによく言うよ」
「ハマりそうなほど好きなくせによく言うぜ」
せっかく機嫌が直っていたってのに、またも揚げ足をとってきた。何でこうもキツネ様を怒らせるのがうまいんだ。プレイしたあとは優しいくせに。
「ご主人様のくせに、私がオッサンに見られても平気なんだね」
嫌みったらしくそう言って鬼畜変態野郎をにらむと、バチッと目があって、瞬時にバッとそらした。あの一瞬で唇に目がいって良からぬことを思ってしまった。
あの唇が首に触れて、あの痛みを、真っ白でドロドロでフワフワな感覚を与えてくれた。それを思い出せば出すほど、体が熱くなっていく。
ハマりそうなんじゃなくて、すでにハマってる。思い出しただけでこんなにも、あの感覚を求めてしまってる。もっともっとくださいって、体が疼く。
「……やるか」
カメラの回収をしながら鬼畜変態野郎が言った。
