
キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~
第6章 キツネ様の話し合い
「いや、この組み合わせも大概だろ。何がどうなってこうなってんの」
「俺もサッパリ分からん。でも二人で仲良く俺で遊んでたぜ。昔のしがらみを忘れて仲良くなったんじゃねーのか」
「絶対に違うだろ。つーか、お互いのことを知ってんの?」
「知らないとは言わせねーぜ。コイツらが仲良く遊んで平和になるならと、踏まれても何されても我慢してやったんだ」
「キツネちゃん。この男の人、知ってる?」
お兄さんに質問された。首を横に振ったら、ユウタが「ええ!?」と叫んだ。
「さ、さすが魔族!人間界の情報について無知だ!」
「おまえは黙ってろ」
鬼畜変態野郎がユウタにそう言うと、ユウタは黙ってしまった。
「あのね、キツネちゃん。この人ね、勇者だよ。人間界の勇者様」
ありえないことを言われて顔を上げた。お兄さんは苦笑いで、「ほんとだよ」と言ってきた。それでも信じられなくて鬼畜変態野郎を見た。鬼畜変態野郎は相も変わらず無表情だけど、「本当だぜ」と言った。でも信じられなくてユウタを見た。ユウタは申し訳なさそうに、「勇者です」と名乗った。
「えっ、でも!だって!鬼畜変態野郎が勇者だって!」
「俺が一言でも【勇者】と名乗ったか?」
「……はっ!?」
確かに言ってない。ってことは、ずっと勇者だと勘違いしてたってこと?勇者だと思い込んで、勇者討伐するべく変態的なプレイまで……
「うああああああ!!」
何かもういろいろと考えられなくなって大声で叫んだ。
「あと、勇者様。このキツネちゃんね、魔族は魔族でも、魔王の一人娘だよ」
「へ?」
「魔王の娘のキツネ様」
「うああああああ!!」
ユウタも同じだった。二人で目を合わせて精一杯叫んだ。叫ぶ以外のことが思い付かなかった。
「勇者も魔族も仲良しだろ」
「そんでこの二人、おまえのことは何も知らないってわけね」
「聞かれてねーから言ってねえ」
「まぁ、それもそうか。それよりどうすんの、この二人。勇者様と魔王の娘が仲良く叫んでるけど、世界は平和になったってことでいいの?」
「めんどくせーからそれでいいだろ」
「二人が落ち着いたら改めて話し合いをしようか。行き違いになってるよ、これ」
「あとは任せた」
「おまえも参加だ、この鬼畜変態野郎!魔王の娘に手を出しやがって!」
「出してねーよ、まだな」
