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キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~

第6章 キツネ様の話し合い


喉が痛くなるまで、叫ぶだけ叫んだ。だからといって落ち着くわけじゃないけど、鬼畜変態野郎の家で、改めて話し合いをすることになった。

ダイニングテーブルに、鬼畜変態野郎とオジサンとユウタと私。ピリッとした雰囲気をユウタから感じる。でも押されてはいけない。冷静になれ。話し合いで解決出来るのならそれに越したことはないのだ。

勇者であるユウタは、鬼畜変態野郎と同じアパートで隣の部屋に住んでいた。初めて家を訪問したとき、「うるさい!」と言って壁を叩いてきたのはユウタだった。

なぜ魔族だとバレたのかと聞いたら、このアパートは壁が薄いらしく、鬼畜変態野郎との会話が筒抜けだったと。防犯の意味を改めて考えた。

そんなことよりも本題だ。なぜ勇者は魔界に侵入し、暴れまわり、魔王に対決を望むのか。私が知りたいのは、まずそこなのだ。


「そもそも何で約束を破ってんの?お互いの世界に侵入したらいけません、争いません、っていう約束を忘れたの?」

「忘れてないです。それは勇者側も受け継がれている約束です」

「何で破ってんのよ」

「生活が、苦しいからです」


これっぽっちも考えてなかった理由に目を見開いてしまった。


「勇者は【正義】で【正義】には【悪】が必要です。【悪】あっての【正義】で、平和な世の中に【悪】は居ない。つまり、勇者の仕事がないんです。それじゃ生活ができません」

「……ほげー……」


もはや開いた口がふさがらず。何をどう返せばいいのかも分からないでいると、鬼畜変態野郎が勇者に質問した。


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