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キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~

第6章 キツネ様の話し合い


このお兄さんは何を言ってるんだろう。私とユウタが結婚?勇者と魔族、愛によって結ばれましたって?なにそのロミオとジュリエット設定。陳腐過ぎて笑っちゃう。

でも一番丸く収まりそうな話だ。

批判は絶対にあるけど、平和が築けるのならってみんなも我慢してくれそうだし、ユウタの性格を見れば、悪いやつじゃないって分かる。ちょっと斜めにいっちゃう人ではありそうだけど。

それに私には政略結婚の道しかない。お婿さんを選ぶにしても、どうせ側近たちのバカ息子とかだろう。それなら平和のために身をささげたい。


「……キツネ様と、……結婚」


チラリとユウタを見るとバチッと目が合った。でもユウタは顔を真っ赤にしてすぐにそらした。子どもっぽいユウタにクスクス笑いが出た。これはこれで悪くない。それも一つの道なんだ。ご先祖様は最低だけど、ユウタはそうじゃない。一緒じゃないんだ。


「あー、ちょっといいか」


今度は鬼畜変態野郎が間に入ってきた。


「それを決めるのはおまえらじゃなくて、魔王と勇者だ。とにかく今は、【話し合える状況になった】と、魔王に報告することが先じゃねーのか」

「それもそうですね」

「そこは私の仕事だね。急いで帰ってパパに報告するよ。大丈夫、安心して!パパもママも優しいから、ユウタの話をちゃんと聞いてくれるよ!」

「それを聞いて安心しました。……えっと、……では、僕はこれで失礼しますね。キツネ様、また会いましょう」

「うん、またね!」


ユウタはお兄さんと鬼畜変態野郎に頭を下げて帰って行った。お兄さんも仕事があるからと言って帰った。残されたのは、鬼畜変態野郎と、震えているキツネ様。



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