
キツネ様の日記帳~鬼畜変態野郎と〇〇プレイ~
第7章 鬼畜変態野郎とはじめての
「よろしくお願いします」
「はいはい」
興味なさげな返事をしたご主人様は、手錠を手首に付けると、手錠のチェーン部分に縄を繋いで、その縄をベッドの脚にくくりつけた。
ベッドに拘束された。もともと逃げる予定なんてなかったし、拘束されるのは別にいい。問題は、勝手に私の荷物を漁ってる鬼畜変態野郎だ。
「ちょっと何してんの!?私にもプライバシーってもんがあるんだけど!?」
「主人を裏切って警察につきだそうとしたヤツにプライバシーもくそもあるかよ」
確かにその通りである。
「おまえは主人の手を噛むようなまねをしたんだぜ。泣いたって済まさねーよ。……今回は覚悟しろよ」
「それ!?」
ご主人様は日記片手にあくどい笑顔を浮かべて、私に口枷をつけてきた。手足だけじゃなく、言葉の逃げ道まで奪われた。
それにしても日記はやりすぎだ。返せと獣みたいな声で訴えてみたけども、何食わぬ顔してベッドに腰掛けて、日記を開いた。
警察につきだそうとした私が悪いんだけども!それはこいつが嫌なことをしたからであって、こんなのあんまりだ。
「どれどれ、……ほーう、最近のも書いてるんだな。◯月◯日、今日は勇者である男を討伐するために人間の世界にやって来ました」
「ふがっ!!ふぁへふぉ!!」
ご主人様の宣言通り、泣いたって済まないお仕置きタイムがやってきた。日記を朗読される日が来るなんて思いもしなかった。
「勇者である男の住むアパートまで来ましたが、あえなく御用。自分のついたウソが連鎖しまくって自爆しました。そして、どえらいプレイをしました。お漏らしプレイです。羞恥心が粉々にされちゃいました。尊厳ってモノが1/5くらい減りました。でもまだ4/5もあるから大丈夫……」
読むのを止めた鬼畜変態野郎が哀れみの目で見てきた。その視線に耐えかねて目をそらした。
「おまえってとことんアホだな。根本が抜けてるっつーか、真性のマヌケっつーか、……まぁ、何だ、気に入っていただけたようで恐縮デス」
「ふぐぅ!!」
一ミクロンも思ってもないことを言いやがって!と言いたいけど、言えないもどかしさと日記を読まれた羞恥心で、足をばたつかせた。
