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星の君と氷の私

第2章 2

家に帰っても誰いない

両親は私が中学生の時に交通事故で亡くなった

お葬式のとき、聞こえてきた残酷な言葉たち

今でも鮮明に覚えている

"可哀想に。まだ中学生だって?"

"誰か引き取ってあげないの?"

"無理だよ、家庭だってあるのに"

"じゃあ、施設行きか?"

養護施設に行くことになるのかな?

って普通の子だったら不安になるし泣いちゃうかもしれない

でもあの頃の私はこんな人達と暮らすぐらいなら

養護施設に行った方がマシって思ってた

でもやっぱり心のどこかで辛くて悲しくて

でもこんな人達の前では泣きたくなくて

我慢していた涙が流れそうになったときに

司が助けてくれたんだ

"俺ん家にこいよ"って

手を差し伸べてくれた

今は引っ越して一人暮らし

私は着替えないままベットに横になった

今日は色々あったなー

まさか過呼吸になるまでとは思ってなかったけど

西条さんにありがとうってお礼伝えないと

…過去話した方がいいのかな?

相田くんになんかバレている気がするし

……でも、やっぱり話さない方がいい気がする

まだ…信じられない

相田くんには悪いけど

なんか眠くなってきちゃったな

ご飯は食べる気がないからいいけど

制服のまんまなんだよなー

いいかな…いっか

"し……く…"

ん…誰かに名前を呼ばれている気がする

"し…ず…く"

私を呼ぶ声が近づいてきてる?

"雫"

後ろから肩を叩かれて振り返ってみるとそこには
司がいた

"こんな所で何してんだよー、帰ろーぜ"

辺りを見渡してみるとそこは中学のときの帰り道だった

司から手を繋いでくれて

私の歩幅に合わせてくれて

一緒に帰っていた

でも…それは中学の頃

だって…司は今…いないんだから

"いない"

なんで…いないんだっけ…?

どうしてだっけ…?

もしかして…私のせい?

"雫"

名前を呼ばれて司の方を見た

いつもと変わらない帰り道

変わったのは司の顔で、赤く血で染められていた

そして聞いた事のないような低い声で放った

"お前が殺した"と。

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