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私は言われたとおり駿の方を向いた

けど、駿の顔はどうしても見れなかった

見るのが怖かったから

「雫、俺の方を向いて」

向けるわけが無い

だって…私…もしかしたら…

振られるかもしれないのに

怖い…本当に怖い

「雫？」

駿が優しい声で促す

だから私は…ゆっくりと顔を上げた

目にはたくさんの涙を貯めて

「なんでまた泣いてんだよ」

駿は私の頭を優しく撫でながらこう言ったんだ

「俺も雫のこと好きだよ。だから付き合おう？」

駿から言われた瞬間、私の目から零れ落ちた1粒の涙

この1粒の涙が引き金となり私はまた泣いてしまった

駿は泣いている私をただただ抱きしめてくれて

いつもみたいに落ち着くのを待ってくれていた

「それで雫さん、返事くれる？」

「…え、だってさっき…」

「もう1回言って欲しい」

私から離れて真剣な表情で私を見つめてきた

「私も…駿が好き」

「俺も好き なぁ、キスしていい？」

「え…」

「嫌だったらいいんだけど…」

"キスしていい？"って…

駿は私が嫌いだから午後の部でしなかったんじゃないの？

でも、駿は私の事好きだった

んー、自分で考えても答えが分からない

本人に聞いてもいいのかな？

…勇気だそう

「駿…あのね？」

「どした？」

「なんで、午後ではキスしなかったの？ 」

相手に聞いたり言うってすごく勇気がいる

そしてその答えを聞くのはすごい怖い

特に相手が好きな人だったり友達だったら

「あー、それはちゃんとしてないのにキスしちゃったからかな」

「ちゃんとしてないのに？」

「雫とちゃんと付き合ってからキスしたかったんだけど、あまりにも可愛すぎて我慢できなかった」