テキストサイズ

星の君と氷の私

第11章 11

駿と私が付き合ったことは気づいたら広まっていて

最初はクラス、そして先輩たちへと

祝福してくれる子達もいた

でも中にはよく思ってない人もいるみたいで…

最初は…靴を隠されたり教科書を隠されたり

ちょっとしたいたずらから"それ"は始まっていた

授業中、使う予定だった教科書が机の中にはなかった

あれー?持ってきたと思ったんだけどな…

クスクスクス、私の反応を見て楽しんでいる生徒がいた

あ、隠されたんだ

隣の席はちょうど駿だから見せてもらおう

「駿、ごめん!見せて欲しい」

「また忘れたのかよ笑 ほら!」

机をくっつけてきてくれて一緒に見ることになった

ちょっとしたいたずらに私が動揺とか見せないから

やっている側もつまらなくなったみたいで…

今度はクラスまで呼び出しをされることになった

「雫ちゃん、先輩が…呼んでるよ?」

お昼休み、心とご飯を食べているとクラスメイトの子から言われて

廊下を見てみると先輩が数人いた

「…雫、大丈夫?」

心は私の事情を知っていた

それは翔くんもで

知らないのは…駿だけだった

言いたくなかった、駿には

「うん、大丈夫! ごめん先食べてて!」

「…うん」

先輩にお昼休みの度に呼び出されるのはもう慣れた

それに毎回同じ時間帯

駿と翔くんが購買に買いに行く時

先輩達は駿がいない時間帯を狙ってよく来る

「あなたが中野 雫ちゃんね?」

「は、はい…」

「ちょっといいかしら?」

先輩達に連れてこられたのは屋上だった

「あなた、駿と別れてくれる?」

「え?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ