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星の君と氷の私

第12章 12

心と話すようになってから空を眺めることも少なくなっていて

気づいたら司の命日になっていた

お墓参りにいって相談してたら…駿が現れた

「…っていう感じです」

ぎゅー、駿が優しく抱きしめてくれた

「ありがとな、話してくれて」

「ううん、今はほんとに大丈夫だから。そろそろ戻る予定だったし」

「強がんな、もっと頼れ。大丈夫だから」

やっぱり駿には叶わなくて

私が閉ざした心の奥底の気持ちを見破っていて

本当は大丈夫なんかじゃない

そろそろ戻る予定なんてなかった

本当は…本当は…

「……怖い…」

消え入りそうな声だった

絶対に聞こえないぐらい小さい声

なのにこれを聞き取ってしまうのが駿さんで

「ん、分かってる。1人じゃないから」

そう言いながら今度は強く抱きしめてくれた

その暖かさに優しさに私は泣いていたんだ

私が落ち着いた頃に駿は携帯をポケットからだして誰かに電話をし始めた

誰に電話してるんだろう

頭の中はてなマークでいっぱい

突然、駿が電話をスピーカーにした

聞こえてきたのは…私のことを事情をして励ましてくれた心だった

『よかった、駿無事に会えたんだね』

「…心?」

『…雫!! あんたもう心配したんだから!ばか!』

『ちょ、久々なのにバカはないでしょ!心』

電話の向こうには翔くんもいるみたい

「ごめんね、2人とも…心配かけて」

『雫…戻ってくるよね?』

「うん、戻りたい」

1人じゃないって改めて感じたから

心にも翔くんにも会いたい

もう1回…あの頃に戻りたい

「じゃあまずはなんとかしないとな」

「え?」

「雫をいじめてた奴ら、代々は検討ついてる」

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