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星の君と氷の私

第3章 3

まただ…暗い暗い闇の中にいる

どこに向かえばいいのかも分からない

怖い…

"雫…"

後ろを振り返るとそこには司がいた

"あの男は誰。新しい彼氏?"

あの男…?

あ、相田くんのことかな

新しい彼氏じゃないことを伝えようとすると
声が出ない

え、なんで?

なんで声が出ないの?

声を出そうと頑張ってみても私の口からは何も
発せられない

"そっか…彼氏なのか…"

違うよ、司!

彼氏じゃないよ、相田くんは

伝えたいのに伝えられない

どうしたらいいの。なんで声出ないの?

一瞬何が起こったのかわからなかった

司が私の首を両手で締めてきたから

"ナンデソンナニタノシソウナノ?"

…くるっ…しい…つ…かさ…なん…で…

やめ…て…首…締めな…いで…

"シズクノセイナノニ。"

私は司の手を掴んで離そうと思っても力に手が入らない

…つか…さ…たす…けて…

おね…がい…く…る…しい…

"オマエモキエロ。"

「雫!」

目を開けたら心配そうに見ている相田くんがいて
私はベットの上に横になっていた

はぁ…はぁ…はぁ…

あれは…夢だった…の?

「大丈夫?うなされていたみたいだけど」

「う…うん、大丈夫」

本当は全然大丈夫なんかじゃない

夢がどんどんどんどん酷くなっていて

いつか夢の中で司に殺されてしまうのかもしれないって思ったら

怖くて眠れなくなっていた

「食欲はある? 一応作ったんだけど…」

「ごめん…いらない。」

正直食欲もないし、しんどいし辛い

「了解、ちょっと待ってて」

相田くんは私の部屋から出ていった

なんだろう?

数分したら相田くんが戻ってきて

「せめてこれだけでも飲んで。」

そう言われて渡されたのはマグカップに入ったホットミルクだった

「ありがとう…」

私は1口だけ口の中にホットミルクを含んだ

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