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星の君と氷の私

第5章 5

そしてここの角を曲がると……あった

茶色いレンガの洋風なお家。玄関の扉の近くに
綺麗な季節のお花がいつも咲いてあった

ここだ…。

司のお家の標識をみると高見と書いてあった

司のお母さんたちここに住んでいたんだ

「良かったな。引っ越してなくて」

「うん…」

インターホンを鳴らそうとすると、指が震える

司のお家に行って…今更だって思われたらどうしよう。

私の事忘れていたらどうしよう…

高校に入ってから司のお母さんたちとは連絡をとっていない

だからこそ、不安だし…心配…

「雫、大丈夫だから。俺がいる」

駿が優しく手を握ってくれた

私は深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。

大丈夫、駿がいる。

それに…もう逃げないって決めた

ピンポーン、私はインターホンを鳴らした

「はーい」

玄関の扉を開けて中から出てきたのは紛れもなく司のお母さんだった

「お久しぶりです…」

「雫ちゃん…」

目にたくさんの涙を溜め始めた駿のお母さん

そして、奥からは司のお父さんも現れた

「声がしないと思ったら…久しぶりだね。雫ちゃん。」

「お久しぶりです…」

「ほら、上がりなさい」

私たちは司のお家に上がることにした

通されたのはリビングで、私が暮らしていたときと何1つ変わっていなかった

でも…司のお仏壇がリビングと繋がっている畳のお部屋にあった

「お線香あげてもいいですか?」

「もちろんだよ。どうぞ」

私は司のお仏壇の前に座った

司の写真は笑っていた…。

私は線香をあげ、手を合わせた

司、久しぶり。元気にしてる?

司のことならきっとそっちの世界でも元気にしてると思うしモテモテなんだろうな。

ごめんね、あのとき…ちゃんと司と真子のこと
聞けなくて…

聞いてたら、司はこんなことにならなくて良かったのに…

本当にごめんね。

私が手を合わせと終わると今度は駿が線香をあげてくれた

駿もあげ終えたら私たちは椅子に座った

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