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星の君と氷の私

第1章 1

「駿が帰ってきたってことは…中野さんと場所交代じゃない?」

1人の女子生徒が何気なく放った言葉

その言葉に意味は無いんだろうけど

窓をただ眺めていた私にとっては迷惑だった

彼もこのクラスメイトの一員と同じ

知らないのにきっと邪魔者扱いをする

それは分かってる。私もその方が都合がいい

そう思ってた。なのに…

「ん?中野さん…?」

「駿が転校した後に転校してきたの子だよ。でもあの子、一人がいいみたい。」

「1人がいいなら、学校来なきゃいいのにね」

先生には聞こえないように放たれたこの言葉

今の私にとっては雑音でしかないけど

「中野さんはいいんじゃない?このままで」

え………

なんで…聞いていたよね?

私がこのクラスでどういう扱いをされているのか

いじめまでとはいかないけど誰も私の相手はしない

私がそう仕向けたから。

友達ごっこはしたくなかったから

なのに、そんなこと言ったら彼までが何か言われるのに

どうして? そんな優しい言葉を言うの

「駿? え、だって1年から机は変わらないんだよ? なのにいいの?」

「え、別にいいよ笑 その机に思い出とかあんま無いし。 先生、俺どこ座ればいいですか?」

「じゃあーーー」

先生が彼の席を指名した

それは……………………

私の隣だった

チャイムがなり授業が始まるとき、彼は私の方を見てこういった

「よろしくね! 中野 雫ちゃん!」

彼の笑顔は眩しくて、キラキラ輝いていて

きっと、過去に何も無く育ってきたんだろう

そう思っていた

これが彼と私の出会いだった

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