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星の君と氷の私

第5章 5

卒業アルバム…司が亡くなってから1回も見ていない

私は恐る恐る駿の隣に近づいて座った

「あれ、これ雫じゃない?」

駿が指さした方を見ると私と…司の写真が乗っていた

これは確か…体操着だから…体育祭のかな

借り物競争でお題が『好きな人』って出た司は

真っ先に私の方に来てくれて

走るのが遅い私のことをヒョイっとお姫様抱っこして持ち上げて

周りからは黄色い歓声が聞こえてきて

結果は1位で。

結構得点がはいる競技だったから午前の部は1位で終わらせることが出来た

そのときの写真

「雫、笑った方が可愛いじゃん」

「え?」

「今の雫よりもこっちの笑ってる方が俺は好き」

司もあのとき、言っていたな

死ぬ直前、笑った顔が好きだって

私は駿に説明しながら卒業アルバムを見ていた

夢中に卒業アルバムを見ていたのかもう夕方になっていて

リビングに向かったらご飯がもうできていた

私たちはお昼の時と同じように座ってご飯を食べ始めた

それから、お風呂に入りテレビを見たりして寝る時間になった

部屋の前まで駿と一緒に戻り、部屋に入る前に言われた

「なんかあったら連絡しろよ?」

「うん…」

「おやすみ」

バタン、駿が部屋に入っていった

なんかちょっと寂しい。

そう思ってしまうのはなんでなんだろう

駿と一緒に寝たあの日から1人で寝るとちょっと寂しくなる

あー考えるのやめよう

私は考えるのをやめて部屋に入ってそのままベットに向かった

疲れていたのかあっという間に眠りについた

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