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星の君と氷の私

第5章 5

ん……喉乾いた…

私は部屋から静かに出てリビングに向かった

リビングに入ろうとしたけどやめた

だって、司のお母さんと駿の話し声が聞こえるから

え…なんで…話してるの?

まって…今何時?

リビングの扉は開いてあったからそこから時計を確認すると夜中の1時

こんな時間に…なんで?

頭の中が軽くパニックになっていると司のお母さんが私の名前を口にした

「雫ちゃん、私たちの前ではあー言っていたけど本当は高校生活上手くやっていけてるのかなって思って…」

「俺、引っ越してまた戻ってきたって感じなんで入学の時とかは分からないんですけど…初めてあった時は壁を作ってましたね」

"壁を作ってましたね"か……

確かにそうかもしれない…

司と真子の件があったからもう友達も恋人をいらないって思ってた

私が誰かと仲良くしなければきっとみんな幸せになれる

そう信じてた

でも………

そんな私を…駿が…変えてくれた

「やっぱりそうなのね…」

「はい。でも、今は友達もできて楽しく過ごしてますよ。」

「ならいいのだけれど……やっぱり司のことが原因なのかしら…」

え…なんで…わかって…

私が心を閉ざした原因は駿にしか伝えていない

なんなら、今日はずっと駿と一緒にいたから言う時間が無いし……

「本人もそう言っていました。でも、逃げてちゃだめだって気づいて今日伺わせてもらいました。だから、彼女は前に進めています」

「なら、安心ね。雫ちゃんの事よろしくね」

「もちろんです」

駿と司のお母さんが椅子から立ち上がったのが見えた

え、待って!

このままじゃ聞いていたことがバレる!

私は音を立てないように急いで階段をのぼった

そしてある間違いを犯してしまった

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