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星の君と氷の私

第6章 6

「いじめが嘘だったかのように終わったとき」

「ここまできたら正直に話すね」

「う、うん…?」

「ずっと今まで黙っててごめん。私、司に相談されてたの」

司が…真子に相談?

どういうこと?

「雫がいじめられている件について。雫が司のこと頼らなくていつも笑顔だから大丈夫なのかって」

…頼らなかったんじゃないよ、司…

頼れなかったんだよ…

司は私の彼氏だから…心配かけるから…

きっと先生にも信じて貰えなかったってって言ったら司は先生を説得しに行くと思う

その頃、司には最後の試合があったから

だから余計な心配をかけて重荷になんか…なりたくなかったのに…

「それで、雫のことだから言って欲しくないんだろうなって思って大丈夫って伝えたの。私がいるからって。」

「うん…」

「そのあとに、雫が待ってるだろうから雫の所に行かせようとしたら私がつまずいちゃって…司がそれを支えてくれたの」

あの…後輩が見せてくれた写真は…廊下から撮ったものだったと思う

今、冷静に考えたら

そうだったんだ…良かった…

2人が…付き合っていなくて…

「ごめんね、黙ってて。まさか雫が勘違いしてるって思ってなかった…」

「ううん…私こそ真子にちゃんと話聞かなくて、避けててごめん」

「あ、そうだ。これ、司に雫に渡してって言われたの」

「え?」

真子が引き出しの中から取り出したのは…

『雫へ』そう書かれていた封筒だった

これ…司の字だ…

なんで、真子が…

「司の本当の思いだって。本人が言ってたよ」

「ありがとう…」

私はゆっくりと封筒を開けて、手紙を取りだした

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