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星の君と氷の私

第8章 8

本番が近づくにつれて優羽はセリフを大体言えるようになってきていた

「このままなら本番も大丈夫だろ」

「駿が間違える度にアイス奢ってもらうとか言うからじゃん!笑」

「そうでもしないと覚えないからだろ?笑
昔から苦手なんだからさ」

ほっぺを膨らませて俺を睨んでくる優羽

睨んできたって怖くないのに

ちょっとだけ拗ねてるな

でも、幼なじみだからこそこういう時の対処法は知ってるわけで

「頑張ってるご褒美になんか奢ってあげるから
な?」

「え!本当!?」

目をきらきら輝かせて俺の方を向いてきた

すぐに機嫌直るし、子供かよって笑

でも子供扱いすると怒るんだよなー

ほっぺ膨らませてさ笑

「それで、何食べたい?」

「ドーナツ食べいこ!」

俺の手を引っ張りながら言ってくる優羽は
本当に可愛くて

「はいはい、わかったから笑」

俺はすぐに優羽のことを甘やかしてしまうんだ

優羽と一緒に練習していたり、リハーサルを行ったりと気づけば本番の日がやってきた

「よし、円陣組むぞー!」

実行委員の掛け声で俺たちは舞台裏で円陣を組んだ

「掛け声誰やる?」

「やっぱ、実行委員じゃない?」

「いや、ここは、翔だ!いけ!」

実行委員の無茶ぶりで掛け声、翔になったし笑

「え、なんで俺!?」

「時間ないから!!翔、いくんだ!」

「えーと、頑張ろう!」

「「おぉー!」」

時間もなかったから「おぉー!」ってみんな言ったけど

円陣が終わったあと「あれはないわー笑」って
翔が言われた

俺も頑張ろう!の一言だけはないと思うけど

俺たちの前のクラスが終わり次は俺たちの番

「続きまして、3年2組 演目は白雪姫です。」

司会の放送を合図に本番が始まった

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