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星の君と氷の私

第8章 8

俺がここで話を聞いていれば…

もっと早く変化に気づいてあげられていれば…

まだ可能性はあったんじゃないかって

今でも思う…

優羽が泣き終わるまで俺はただただ隣にいた

「ごめんね、ありがと。いやーまさか優勝できるなんて思ってなくてさ笑」

「確かに、そうだな笑」

1年、2年と優勝したことなかったしなー

卒業前、最後の思い出が作れたしな

「よし、帰ろっか!」

「おう!」

それからは、お互い何も喋らずに家までの道を歩いた

「優羽、また明日な」

家の中に入ろうとした優羽の背中がなんだか

もう明日会えないように見えて

俺は優羽に声をかけていた

優羽は振り返っていつもと同じようにいった

「うん、またあした!」

家の中に入った優羽を見届けて俺も部屋の中に入った

俺の勘違いだったのかな

そう思いながらご飯食べたり、風呂に入ったりしてベットに入ったんだ

それから焼肉を食べに行こうって話は2週間後になった

理由としては片付けをしようってなった演劇会の次の日

担任の先生が風邪をひいたり、代休になったりと色々とバタバタしていたから

そこからだった

優羽がなんかおかしいって思い始めたのは

いつもなら早い返信も遅くなっていて

いや、忙しいのかなって思ったよ

中学3年だし、受験生だし

でも優羽はどんなに忙しくても返信してくれるの知ってるし

家が隣だからこそよくベランダから遊びに来るのに

最近は全然来ない

だから俺は翔に相談することにした

「なーやっぱ、キスしたのまずかったか?」

「いやーなんとも言えないです」

「だよなー」

「でも、キスしたあと嫌だったらああいう態度は取らないと思うけど?」

キスした後、顔を赤くして俯い来ながら起きていた優羽

嫌いな人からキスされたら確かにあんな反応はしない

だったらなんでだ?いや、自惚れちゃダメなんだけどさ

俺、避けられてんのかな?

本当はやっぱ嫌だったのかな

焼肉を食べに行く日になっても、学校でも優羽を見かけなかった

そしていつからか優羽が学校に来なくなっていたんだ

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