太郎くんとエッチな災難
第3章 看病
ベッドに入ると嘉山君は電気を消して、左腕で私の腰を引き寄せた。
「もっとこっち寄れよ…落ちるぞ」
「うん…」
「急に大人しくなるのな?」
「だって…男の子と一緒に寝るなんて初めてなんだもん…」
「まぁ…そうか…あのさ、事故とはいえ…七瀬の処女奪っちまった事マジで償おうと思ってるんだけどさ…とりあえず、七瀬に遊び目的の男が寄り付かないようにちゃんとした彼氏出来るまで用心棒するっていうのはどうだ?」
「えぇ?そんな人になんか引っ掛からないもん…私モテないし」
「俺と風呂入ったり、一緒に寝てる時点で心配でしかねぇよ…もう決めたからな。好きな奴とかいんのか?いるならそいつの事見極めてやるから教えろよ」
「へ…好きな人は…その…気になってるだけだから教えないっ…」
嘉山君の事だから…本人に教えろって言われても言えない。
色々あったにしても今日知り合ったばっかりなのに気になるなんてやっぱり変だよね…。
「なんだよ…まぁ、誰って言われてもクラスの奴七瀬しか知らねぇからいいけど…どんな奴?」
「えっと…格好良くて…話すと楽しくて…真っ直ぐで何だかんだ言って優しいの…それでちょっとでも長く一緒にいたいなぁって思うんだぁ」
思いっきり嘉山君の事言っちゃったけど…バレないかな?
「…そういう風に思う奴がいるんだ?それさ…
気になるヤツっていうよりもう好きじゃね?」
「まだっ!好きかどうかわかんないもん」
「ふーん…とりあえずそういう奴いるっていうのはわかった…もう寝よう…おやすみ」
「あ、うん…おやすみなさい」
嘉山君は壁側を向いてしまった。