太郎くんとエッチな災難
第4章 気持ち
教室に向かう途中校舎の横に植わっている木を見ると昨日木の上にいた猫がまた木の上にいてにゃーにゃー鳴いている。
「アイツまた…」
「へ?どうしたの?」
俺はその木の下に行って近くに落ちていたスコップを持って猫のいる方に差し出した。
「あ、猫ちゃん降りれないのかな?」
「昨日も降りられなくなってたんだよ、おかげでクラスでの挨拶遅れたし、降ろすのに使った鉄パイプ持ったまま教室行ったら勘違いされたけどな」
「昨日のそういう事だったの!?」
猫はスコップを伝っておりてくるとちゃっかり七瀬の胸に飛び込んでいた。
「わっ!降りられたね!にゃんこー嘉山君にお礼言うんだよぉ」
七瀬は猫を撫でながら俺の方に向けた。
「ほら、猫はもういいからクラス委員の仕事あるんだろ?」
「そうだった!猫ちゃんまたね」
猫を降ろして俺たちは校舎の中へ入って行った。
クラス委員仕事は朝からかなりあった。
クラスに配るプリントのコピーやイジメ対策の為のクラスの机に変なイタズラがないかのチェックにクラス内のアンケートの回収…その他諸々。
そしてクラスメートが次々と登校してくる中もう一人のクラス委員はなかなか来なくてイライラしてくる。