太郎くんとエッチな災難
第1章 転校生
転校生はポケットに手を入れて私たちの方を向いてもニコリともしない。
よく見るとカラコンを入れているのか瞳の色が深いブルーだ。
髪の色もカラコンも校則違反じゃないの…?
「あー…嘉山…さっきまで学ランのボタンしまってなかったか?ボタンしめなさい」
「…は?……何で?そいつもしめてねぇだろ…」
嘉山君は学ランの下に黒いTシャツを着てる男子を指して低い声でそう言った。
一応式典以外は学ランの下は特に指定はなかったけどあんな派手な虎柄を着てる生徒は見た事がない。
「そ、それもそうだな…すまん」
先生謝っちゃった…
「ひゃー…転校生こっわ…関わらないようにしよ」
「なぁ…そろそろ座りたいんだけど」
「あぁ!そうだったな!席は七瀬(ななせ)ー」
「えっ!?はい?」
先生に呼ばれて返事をする。
ハッ!私の隣りの席…空席だ……と、言うことは…
…。
「嘉山の席は彼女の隣りだ!七瀬、あとでクラス委員の二人で嘉山に校内の案内をするように」
「えっ!?…はい」
嘉山君はズンズンとこっちに向かって歩いてきて近くに来ると目が合った。
あ……瞳の色綺麗……。
怖いより先に嘉山君の瞳の色が綺麗で見入ってしまった。
カラコンってあんなに発色いいんだ…。
「あ……七瀬花っていいますっ…よろしくね」
「……ん」
嘉山君はそれだけ言って目線を逸らせるとドカッと椅子に座った。