太郎くんとエッチな災難
第6章 王様ゲーム
「……それならこのまま付き合ってるふりするか?」
「えっ」
「そんなのの対象にされんの嫌だろ?あー…でも好きな奴の事…」
「それは平気!他の学校の人だから!」
そういえば私の好きな人は嘉山君って全然気付かれてなかったんだった…。
嘉山君と付き合ってるって事にしておいたらいつ嘉山君がモテても大丈夫って事かな?
それにこれを口実にお弁当作ってこられる!
「じゃあ付き合ってるって事にしよう…まぁ、今まで通りで特別しないといけないことはないよな?人前でベタベタしないカップルっつー事で」
「うんっ」
そう決まって私達は教室に入った。
すると彼氏と一緒にいる朱里が気が付いて手招きしている。
いつも通り私は朱里のいる方に向かって嘉山君は自分の席に戻ろうとする。
「嘉山君も来てー」
「俺も…?」
朱里がそんな事を言うなんて初めてだった。
「ねぇ!二人いつから付き合ってたの!?」
「えっと!1週間くらい前?」
「あ…あぁ…そうだ」
「全然気付かなかった!どっちから告ったの?」
まさかこんな聞かれるなんて思ってなくて打ち合わせしてない!
「俺から…。転校してきた時から気になってたからな」
嘉山君がそう言うと、きっとそれらしい事をパッと考えて言ったんだと思うけどドキッとしてしまった。