太郎くんとエッチな災難
第1章 転校生
校内を探したけど嘉山君は見付からず始業のチャイムが鳴ってしまった。
私も化学室行かないと授業に間に合わなくなっちゃう…。
とりあえず教科書と筆記用具を取りに教室に戻った。
すると嘉山君は誰もいない教室で自分の席に座って外を見ていた。
「嘉山…いたぁ…探してたの」
「……なぁ。聞きたいことあんだけど」
「え?」
嘉山君はそう言って立ち上がると私の前に来た。
「………トイレの場所教えろ!こればっかりは無理!早く!」
「へ!?あっ!こっち!急いで!」
うちの教室はこの階のトイレから1番離れていて場所も分かりにくかった。
走って嘉山君をトイレに連れて行って私は男子トイレの外で嘉山君が戻ってくるのを待った。
もしかして…さっきの休み時間ずっとトイレ探してたのかな?
しばらくすると嘉山君はトイレから出て来た。
「うおっ…何で待ってんだ?」
「化学室の場所わからないと思って…」
「知らねぇけど…あぁ!それで教室に誰もいなかったのか!あー…トイレの事はサンキューな…助かった。でも俺に構わなくていいって」
頑なにそう言うけど…思っていたよりも嘉山君って怖くないかもしれない。