僕らのStoryline
第2章 同じ朝、もう一度、何度でも
「美味しかったー」
「お粗末さんでした」
食器を下げるこうじに習って俺もコップを二つ持つ。
「俺が洗うよ」
「どないしたん?そんなこと今まで言うたことなかったやん」
俺が食器を下げるのを見てフキンを水に濡らして絞りながら目をまあるくしてる。
「今までは、今までだよ」
「フフフ…なんか変なめめ。でもな、さらっと汚れを流して食洗機に入れちゃうので手伝うことはなにもありません!!」
「そうなの?」
「知らんかったやろー」
クスクス笑うこうじが本当にかわいくて。
背中側にまわり抱きしめる。
「知らんかった…なんか、ごめん」
「なによ…」
「こんなにたくさん一緒にいるのにこうじの家にそれあるの知らなかったし…」
「うーん…、まぁわざわざ言うことでもないやろ」
悔しい。
何が、って言われたらこれ!とは言えないけど。
こうじのことで知らないことなんてないと思ってたのに。
明るい髪の毛に鼻を押し付ける。
「いい匂い…」
「めめもおんなじやろ…」
頭の形にそって耳、耳たぶ、首筋に唇を押し付ける。
「めめ…」
「なぁに…」
「れん…」
「こうじっ」
名前を呼ぶときはキスをして欲しい時。
体の向きを変えさせて正面から抱きしめる。
顎に指をかけるとこうじが目をつむる。
赤く色づく唇に俺の唇を重ねた。