僕らのStoryline
第5章 もっと もっと
「うわぁ!!なに?やめ!やめぃ!」
俺は残りのお酒を飲み干した。
こうじが慌てて制するけどそんなのお構い無しだ。
聞いてきたのは、こうじだ。
こうなったら、とことん、付き合ってもらう。
「…こうじはさ、めめと最初のときどうだった?」
こうじは赤い顔をさらに赤くして瞬きを繰り返す。
「なんよ、ソッチ系?」
「ソッチ系!」
「どうだった?って、普通やん!って、何が普通か知らんけど」
「ブハハハっ!なんだよ、知らんけどって」
「だって、知らんやん!比べようがないやん!」
「まぁ確かにな…」
「でも、あれよな…」
「ん?」
「怖いっておもっとたけど…」
「わかる!めっちゃ、いいよな」
「え?!」
「え?!」
「なんて?」
「いやいや!お前がなんて?」
「照にぃ、テクニシャンなん?エッチやなぁ~」
こうじはニタニタと笑ってやがる。
「エッチじゃねーよー」
わいわい、盛り上がっていたら、こうじの携帯に連絡が入り目黒が合流することになった。
仕事してきたのに爽やかに登場し、こうじはさっきと打ってかわって、おとなしくなった。
「酔ってるの?」
「酔ってへん」
「そう?」
目黒がビールとつまみをいくつか注文して、目黒の今日の仕事の話を聞いていた。
最初はこうじと目黒のいつものテンポの良い会話だったが、だんだんこうじは目黒に寄り掛かるようになっていった。
「眠い?」
「眠たない」
「嘘だよ、眠いんだよ、体熱いよ?」
「眠たないもん」
「もんって…寝た…」
「めめはさ、こうじが初めてなんでしょ?」
「初めて?何がですか?」
「いや、あのーつまり」
飲み過ぎたな、完全に。
普段は聞かないことを今、聞こうとしてる。
「何がですか?」
「だから、男と付き合うのってこうじが初めてなんでしょ?」
「あー、まぁ、そうっすね」
「抵抗なかったの?」
「抵抗?」
目黒はジョッキを飲み干した。
「男とヤるのに」
「無かったと思います…って何の話っすか?」