僕らのStoryline
第5章 もっと もっと
「ふっか…」
「ん?」
部屋に入ってすぐに抱きしめられ、首もとに口付けられる。
「んっ…待ってっ!!」
舐められたりなんかしたら、声が出そうになって。
思わず照の体を押した。
「やっぱり…」
「え?」
俺の心臓はバクバクしてて。
「男は無理だった?」
照はバキバキの体を折って俺の顔を覗き込んだ。
「だから、避けてんだろ?」
男は無理?
はぁ?
え?
「あの時はごめん、がっついて…でも、俺、ふっかの事好きだから、別れるとか無理だよ…体は繋げなくても好きだから…」
「待って、待って!別れるなんて言ってないし」
「でも、キスも…嫌なんでしょ?」
さっき、首から耳を舐められて、このままだと絶妙にセックスすることになる。
そうなったら、と思ったけど、照は俺がキスを拒否したと捉えたみたいだ。
「嫌じゃないよ、嫌なわけない」
「本当に?無理しなくていいよ、ありがとうね」
と、俺の頭を撫でて靴を脱いで玄関を上がる。
リビングに来てキャップをとりリュックサックをおろした。
「水、もらっていい?」
「うん…」
無理なんてしてない。
ずっとシテ欲しかった。
怖いのは、怖いんだけど…
そうじゃなくて…
「ふっか…」
「うん?」
「今日はやっぱ帰るわ」
「なんで?」
「そんな顔させたいわけじゃないんだよ」
と、さっき置いたばかりのリュックサックに手を伸ばす。
「か、帰らないでっ」
その手を押さえる。
「俺は…俺…」
掴んだ腕をそのまま引っ張られて、また照の腕のなかに。
照の胸に耳が当たった。
ドクン ドクン ドクン
と、どんどん早くなっていく。
「照…俺、ヤバくて…この間が初めてで…でも、めちゃくちゃ善くて…声もすごく出ちゃいそうで恥ずかしくて…男の喘ぎなんてキモいじゃん?それに…怖くて…」
「キモくねぇよ。全然聞きたい!怖いって何が?俺がでしょ?」
「キモくないの?って、照が怖いんだけど、その…」
体を離され照があぐらをかいた上に向かい合わせで跨ぐように座らされた。
「言って…全部、大丈夫だから、ね?」
このすがるような瞳に俺は弱いんだ。
「…善すぎて、怖くなったの!!!」