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僕らのStoryline

第6章 鳴り響く恋の音


「見ました!映像がすごくきれいなんですよね、美術とか習ってたんですか?」

ずっと会いたかったアニメ監督。
時間は限られているけど聞きたいことを聞かないと、と思って決まってから質問をノートに書いていた。

それを見ながら聞いていく。

「色使いが自然と同じ色やないところもたくさんあるのにそれに違和感を感じないんですよね、それがすごいなぁって」

「恋愛は監督の恋愛観も入ってるんですか?」

この冬に公開予定の新作は高校生の恋愛もので。
今までのものとは少し違うテイストだ。

「怖いですよね、今までの関係が崩れてしまったら…って」

それは今の俺の気持ち。

「今日は本当にありがとうございました」

「楽しそうだったね、本当に」

マネージャーが俺の顔を見て言う。

楽屋に戻り着替えをする。

ホンマに楽しかった。

新作も楽しみだ。

だけど。

だけど。

スマホを見たくて、見たくない。

だって、怖いやん。

返事がきてても、怖いし。

きてなくても怖い。

スマホを見る。

“今から行く”



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