僕らのStoryline
第6章 鳴り響く恋の音
「やや」
「こっちきてって」
隣になんて座れん。
怖いやん。
「こうじ」
「やや」
「こうじ、座って、ね?お願い」
子犬みたいな瞳が俺を見つめてくる。
「うぅ~なんなんその顔は!」
仕方ないから間を空けて座る。
「こうじ、こっち見て」
「…うぅ…」
優しい声が俺の名前を呼ぶ。
胸が痛い。
俺は胸を抑える。
「こうじ?どうしたの?」
「痛いねん」
「最近、よくやるけどなにそれ?」
「胸が痛いねん!もう!ヤバい!今、ここで死ぬ」
めめは笑ってる。
「なんで痛いの?」
絶対に分かってる。
分かってるのに聞いてくる。
「聞いてどうするんよ…」
「聞きたいんだよこうじの口から」
胸がギュウってなる。
「…き…っ…」
「ん?」
「好きや…」
ガバッとめめに抱きしめられる。
「っ!!!」
めめの胸に頭を寄せられる。
めめの匂いに包まれて。
「なんか、言ってや」
「分かるでしょ」
「なっ!なんなん!俺はっ」
「好きだよ、こうじ」
なんなん。
俺に言わせておいて、自分は行動で分かってくれよ、だなんて許せん!と腕の中から抜け出そうとしたら。
ズルいで。
ホンマに。
「へ?」
「聞いて」