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僕らのStoryline

第2章 同じ朝、もう一度、何度でも

言葉にしなくても、分かってくれると思い込んでいた。

何度か互いの部屋を行き来して。

仕事はありがたいことにたくさん頂けていたけど。
二人でレギュラーもあるからその日は必ず二人で帰ってきた。

個人の仕事の内容を言える範囲で話したり、他のメンバーの出演したテレビの話をしたり。

メンバー以外のタレントさんと絡んだときの話をしたり。

楽屋で食べたお弁当の話をして、何が食べたいか話しをしてこうじに作ってもらう約束を取り付けたり。

雑誌で着た洋服の話になって買い物に行きたくなって、次の休みを確認したり。

そんな当たり前の幸せな日々。

言葉がなくなって、視線が交わって。

吸い寄せられるようにこうじにキスをする。

んっ、と引き出された声をもっと聞きたくて見つめる。

そうするとこうじは目を閉じる。

それが嬉しくてもう一度、キスをする。

触れるだけの優しいキスをして、耳たぶを触りながら
唇を唇で挟む。

漏れる声と息を包むようにして唇を重ねる。

「こうじ、舌だして」

「んっ…」

赤く濡れた舌に、俺の舌を絡めてく。

唾液を交換するように。

飲み込むこうじの唾液ってどうしてこんなに甘いんだろうか。

「めめぇ…」

俺の名前をこうじが呼んだら苦しい、ってことだから惜しいけど唇を離す。

濡れた唇とその周り。
濡れた瞳と赤い頬は心臓に毒だ。

「気持ちよかった?」

「…うん…」

唇を俺の親指で拭ってやって瞳を合わせようとするけど、恥ずかしいのか、全く視線が合わない。

「終わり?」

「…うん」

「そっか…寝る?」

そっか、と言ったこうじは先ほどとはうってかわって視線を合わせて、寝るか?と聞いてくる。

「そうだね、寝ようか」

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