僕らのStoryline
第7章 天使のしわざ
店内をウロウロしてるとあちこちから悲鳴のような
歓声が聞こえてくる。
みんな等身大のラウールのパネルがいくつか並んでいてそれと写真を撮っていた。
羨ましいな…と思った。
俺も撮りたいな、でも…
たくさんの女の子に囲まれた、パネルのラウール(パネール)を見てると圧倒されてしまって足が動かない。
「さくまも撮りなよ」
「いや、いいよ」
「なんで?せっかく来たのに」
「だって、すごく並んでるし…恥ずかしいもん」
「えっー!!でも」
「ううん、ありがとう阿部ちゃん。連れてきてもらえただけで十分だよ」
それから、俺はいくつか雑誌を買った。
これも相当悩んだ。
だって、全部カッコいいから。
「たくさん買ったね~」
「重い…」
「背中からひっくり返るんじゃない?」
「本当は全部買いたかったぁ」
「うふふ、そうだよね」
電車に揺られて俺たちは帰った。
家に帰って、雑誌を読んだり、映画のパンフレットを読んだり。
映画の公開にちなんだ出演者が出るYouTubeを見たり。
「はぁ…かっこいい」
俺が168センチだから、ラウールは188センチ。
背伸びしても頭を撫でること出来ないんじゃないか?
俺はパンフレットを慌てて開いた。
相手の女優さんの身長はいくつか、知りたいから。
158センチか。
俺とラウールがもし、キス、したら…