僕らのStoryline
第7章 天使のしわざ
俺は夜になってもう一度家を出た。
そして、昼間に阿部ちゃんと行った店にまた来ていた。
店内にはまだあのパネルのラウール(パネール)がいて。
やっぱり、ドキドキする。
本人ではない、と分かっているのに。
店内をウロウロしてみる。
女の子はいない。
男の人しかいない。
店の人も…男とおばちゃんだ。
「よし…今だ」
そおっと、パネルの前に立った。
「大きい…」
みんなが触っていた顔に手を伸ばす。
「あ…」
小さい顔だな。
綺麗な目。
長いまつげ。
プルプルな唇。
背伸びをしてみた。
「うっ…」
頭を撫でたくて手を伸ばしてみるけど届かない。
「俺ってチビだな…」
誰もいないことをいいことに写真を撮りまくる。
店内の照明のせいで頬が光ってしまって難しい。
「うーん、難しい…」
俺の背が低いのもきっとあるんだな。
「撮ってあげようか?」
「…え?」
後ろの上の方から声がした。
振り返ると、いた。
彼が、いた。
「天使だ…」