僕らのStoryline
第7章 天使のしわざ
「あっ、あのっ!え?!なんでっ!」
テンパってパニックになってる俺の肩を左手で掴んだ。
そして、人差し指を立てて自分の唇に当てた。
「しっー!」
俺は、夢を見てるんじゃないだろうか。
映画のワンシーンが目の前で…
「…」
驚きすぎて、言葉がでなかった。
だって、だって…
「気づかれちゃう…ね?」
俺は頭をブンブンと縦に動かした。
首がとれちゃうんじゃないか、と思うくらいに。
「よく出来ました」
と、頭をポンポンされて。
映画のシーンが目の前で、俺相手に…
「……」
「写真、撮ろうか?」
俺に手を差し出してきたから、俺はその手をとった。
「キャハハハっ!違う、違う!スマホ、スマホ貸して?」
「うわっ!え?!やばっ!!ごめんなさいっ!!」
俺は間違えて、手を握ってしまった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて。
きっと、俺の顔は真っ赤で耳も、なんなら首筋まで真っ赤なはず。
「ごめんなさいっ!!本当にっ」
恥ずかしいからこの場から消えたい。
と思ったのに。
「待って!ごめん。笑ったりして」
と、腕をつかまれてしまった。
「ね、もっと話したいんだけど、どうかな?」
「え?でも…」
俺は辺りをキョロキョロ。
「大丈夫」
そんなことを言われても。
俺なんかと何を話したいんだろう?
俺はジッと見つめた。
「大丈夫だから。だって俺、飛べるんだ」