僕らのStoryline
第7章 天使のしわざ
恥ずかしいし…
「気になったけど、学校に行かなきゃならなかったから」
へぇ、学校に…
「え?学校?大学行ってるの?」
「ぼく、18歳だよ?」
18?セブンティーン?違うな…18歳…
「高校生なの?」
大人っぽい。俺なんかよりずっと…
「ねっ!名前、教えて?」
「佐久間大介、22歳、〇〇大学に通ってる」
「ラウール、18歳。高校三年生だよ」
「年齢言ってもいいの?プロフィールには非公開ってなってたけど…」
「…んー、大丈夫!だって、佐久間くんは無闇に言いふらしたりしないから」
「そんなの、分からないだろ…」
「分かるよ!」
「なんで…」
そんな簡単に人を信じるなんて…
「だって、俺、天使だから」
「え?!」
ベンチに足をあけ、そばにあるゴミ箱に登った。
両手を広げて俺を見下ろす。
「羽だ…」
「誰これ構わず、言うわけじゃないよ。だけど、俺だって信じたい、自分を」
広げた長い両手は月明かりを浴びて羽のように見えた。
「俺が信じたいって思った人を、信じたい」
真っ直ぐな言葉が俺に降りかかる。
「それって」
フワッと地面に降り立つ。
「もう!察してよ」
さっきまでの神々しさからうって変わって、高校生らしく唇を尖らした。