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僕らのStoryline

第8章 青い宝石の行方

「なべ…」

「いいよ」

あれから、続いていて。

俺はいつの間にか好きになってた。




「なべ…ごめんな…」

やっぱり。

ソファに座った俺の前に膝をついて話しかけてくる。
目線を合わせようとしてくれてるんだろうけど、こんな顔見せられない。

俺は横を向いた。

「なべ、俺さ言えなかったよ。何も言わなければこのままでいれるって思ってたから」

“こっち向いて”と優しい声がして。

恐る恐るふっかの顔を見た。

「泣くなって」

そうなんだ。

ダメなんだ。

ふっかの前だと泣きたくないのに泣いたり、怒りたいのに怒れなかったり。

「俺たちさ、ちゃんとしよう」

「ちゃんと?」

「うん。俺と付き合って下さい」

真っ直ぐに俺を見て、告げられたふっかの想い。

目を見れば、分かる。

俺を大切に想ってくれてることが。

「なべが、会いたい時に、会いに来る。ううん、俺が会いたいから、会いに来る」

「ちゃんと、言えよ」

「え?」

「俺のこと好きなのかよっ」

“好き”と言ってほしくてつい出た言葉。
顔から火が出そうな程恥ずかしい。

ふっかは、フッと鼻で笑って俺をまた胸に抱き寄せた。

「ちょっ、何っ」

「翔太、好きだよ」

耳もとにふっかの熱い息がかかる。

俺はふっかの背中に腕を回した。

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