僕らのStoryline
第10章 兄貴の恋
「おかえり」
「…ただいま」
帰るともう兄さんは帰っていた。
「俺のが遅くなると思ったんだけど」
「ごめん、部活ちょっと長引いてさ」
「大会近いもんな」
適当に返事をしてバックを部屋に持っていく。
部活が長引いたのは本当だ。
俺が外周の中にいないのが監督にバレて追加の筋トレメニューをすることになってしまったからだ。
みんなには申し訳ないことをしたとは思うけど全然、集中できなくて、みんなに心配されてしまった。
「昨日の残りだけど、いい?」
味噌汁をよそう兄さんの隣に立ち、それを受け取りテーブルに置く。
野菜炒め的なものと、切ったトマト、ご飯に味噌汁。
「いただきます」
手を合わせる。
「今日、もっと遅くなると思ってた」
「あぁ、まぁな…」
「なんかあったの?」
「何もないよ、」
「そう」
聞いたっていいと思うんだけど。
なんか、聞けない。
だって、いつもの兄さんじゃないみたいだから。
いや、いつもの兄さんなんだけど。