僕らのStoryline
第10章 兄貴の恋
「蓮、起きろっ」
なかなか寝付けない、なんてことはなくいつものようにぐっすり眠った。
「今日練習は?」
頭がまだ起きてなくて兄さんの言葉が理解出来ない。
「ん?」
「今日、土曜だろ、練習あんの?」
そっか。
もう、休みなのか。
なんか、今週は色々ありすぎて曜日感覚が狂ったみたいだ。
「ない」
「そっか、俺、出かけるからさ」
「え?どこに?」
「うーん、特に決まってないんだけど」
「誰と?」
「佐久間とこうじと」
「こうじも?」
二人きりじゃないんだ。
「いってらっしゃい」
俺は布団に逆戻りした。
兄さんに恋人がいる、確認したことはないけど、
きっと確かだ。
俺は認めてないけど。
って、俺が認めなくったって付き合ってるんだから、意味ないか。
なんで、女じゃなくて、男なんだ?
いや、それはいいんだ、別に。
よくないのか?
俺は何をこんなにモヤモヤ考えてんだよ。
布団に逆戻りしたけど、眠れなくて起きる。
リビングに行くと窓が開いていて気持ちのいい風が部屋に入ってきてる。
「俺も行きたかったな」